平馬通信 ヨーロッパに見る可憐な花たち  NO14 (2004/04/12号)

『イギリス 王立エデインバラ植物園のロックガーデン』

ロックガーデンで全世界から集められた可憐な花達を見ていると、実に彼らが厳しい自然界の中で、長時間かけて生きるすべを見出し、生き抜いてきた歴史を感じる。スクリー(砂礫地)は岩山が長い年月に渡り風雪に耐えかねて崩れ落ちた石の堆積した条件であり、少しずつ動いている環境であるし、岩上や岩の隙間も深く根を下ろして地中深くもぐっていなければ、とても夏は越せない世界である。その必死でけなげな花達の姿に感動をおぼえる事がある。

(1) 南米の最先端にしかない〈Bolax glebaria〉 セリ科 マジェラン、チリー原産。
硬くしまったクッションを作り増えていく。夏に無柄の黄色い散形花序をいっぱい咲かせる。

(2) ピンクの花が可愛い(Gypsophilla repens rosea ) ナデシコ科 ヨーロッパ アルプス原産。
岩上の隙間などを好み茎葉は密に繁茂する。原種よりピンクが濃いものと白花もある。

(3) 日本のテッセンの仲間(Clematis tangutica) キンポウゲ科 中国原産。
落葉性の蔓植物で、7月頃にがく片が美しい鮮やかな黄色の花弁状となる。

(4) 岩上でクッション状に繁茂する〈Aubrieta deltoidea〉 アブラナ科 南ヨーロッパ、小アジア原産。
春に紫紅色の花を咲かせるが変化品も多い。

(5) 矮性で砂礫地に咲く〈Campanula tridentata〉 キキョウ科 コーカサス原産。
多年草で茎葉は小さくロックガーデン向きの花。夏に大きめの美しいブルーの花を次々に咲かせる。

(2004/04/12号 平馬 正 著