三浦通信 生垣のいろいろ・法面《のりめん》(斜面)を活用した生垣 (2010/01/05号)
敷地の中、外部、玄関までの通路脇等、敷地の法面を上手に活用した生垣があります。
法面全体を単一植物で被って高さを仕上げたもの、数種類の植物を混植した混ぜ垣の中に玉作りを組み合わせたもの、玉作り・刈り込み物を組合せたもの等、様々な形状・高さの植物を組み合わせた法面の生垣は、機能はもとより、美観的仕上がりに驚かされるものが全国に数多くあります。
法面上の玉作りと混植の生垣
手前にキリシマツツジの大玉作りを配置し、その間にイヌツゲの玉作り、根締めにサツキを植栽しています。法面を被っているのは、サツキとキリシマツツジを混植した混ぜ垣です。サツキの水平な線と、その後方のツツジ類の大玉作りが奥行きを作り、一体感のある生垣を形成しています。
道路から敷地への法面を広くゆるやかに取り、オカメザサのみで仕上げた美しい生垣です。
シンプルな出来栄えですが、存在感のある生垣に仕上がっています。
法面を被う単調な刈込と、大小入り混じった複雑な玉作りの組合せは、一見アンバランスに感じられますが、近くで見ると迫力を感じさせながらも、圧迫感を与えない、全体的にまとまった見応えのある生垣です。
道路から玄関に向かう通路脇の法面を活用した生垣です。
花物、葉物など複数の樹種を様々な形に植栽し一体化させた、素晴らしい出来栄えの生垣です。刈込の技術もとても素晴らしいものです。
上の写真と同じ生垣を道路側から見たところです。
(2010/01/05号 三浦 敢司 著)