三浦通信 日比谷ガーデニングショーで金賞受賞 (2009/10/27号)

10月29日から11月1日まで日比谷公園で開催されている日比谷ガーデニングショーのガーデンコンテストで、金賞を受賞しました。

水鏡の庭

庭の水景は、池としての位置付けだけでなく、映り込みの景を庭として取り入れる水盤(水鏡みずかがみ)の役割をしています。雲の動き、月あかりを水鏡に映しこみ、人々に変化ある庭の眺めを提供します。計画では、水底を浅くしました。水深を浅くする事でアオコの発生を抑えるだけでなく、水底の黒い盤が、雲や月を映しやすくするためです。

水鏡に映りこむ、樹木と空
(水深を浅く、底を黒くすることで映り込みを際立たせます。)

また、石組み、石積み、敷石に使用した石は小田原に隣接する根府川の根府川石を利用しました。現地の石切り場へ赴き、数ある石材の中から、今計画に一番と思われる石を選び出し、今回の庭に使用しました。この茶系の石は、白砂利とのコントラストが美しく、また緑にも映える色となっています。

根府川の採石場
(現地の広い石切り場で、庭をイメージし、ひとつひとつ石を選びました。)

庭正面右手にはチャノキ(茶)を植栽しました。本来白花を咲かせるチャノキですが、今回の庭では珍しい赤花のチャノキを植栽しました。地被植物・草花は、可憐に花咲く植物を選び、庭に落ち着きと温かさを与える役割をなしております。

(石の形、目地を考えながら、石積みをおこないます)

この庭がご自宅、職場にあることを想像してみてください。庭のほとりに座り、池に映った雲の流れを楽しんでください。また秋の夜には池に映った月と一緒に、二つの月の月見を楽しむのも一興でしょう。自然と溶けあった水鏡は癒しの空間をもたらすに違いありません。

今回の庭の出品は、作図から材料調達、施工まで一貫して携わりました。
これから庭を作ろうとご計画中の皆様、是非お声がけください。
お庭は、私(三浦)が責任を持ってお作りいたします。

今回の図面(植栽図)

(2009/10/27号 三浦 敢司 著