三浦通信 生垣のいろいろ・段垣番外編 (2009/10/01号)
ここで紹介する段垣は今までのパターンと少し異なる生垣です。見方を変えるととてもよく出来ている生垣だと思います。
住人のアイディアがますます楽しい生垣を創作し、見た人がまた違った生垣を作ることでパターンが増え、生垣を眺める楽しみが増えてくるのではないでしょうか。
カンツバキ(前)、カイヅカイブキ(後)の二段垣
間知石積の上に大きく育ったカンツバキのカマボコ型生垣、その上をカイヅカイブキが列をなして覗くように仕上っています。どこかユーモアのある生垣です。
サツキ(前)、シラカシ(後)の二段垣
敷地の角を隅切した場所の二段垣の中に、まるで形状の違う樹種をポイント植栽し、角部分をとても上手にまとめています。
ボックスウッド(前)、サツキ(中)、コノテガシワ(後)の三段垣
隅切部分をあえてギザギザにブロックを据え付け、中段のサツキで天端を覆っています。前段の低垣の天端を平らにせず、あえて斜めに刈り上げているところは、にくい出来栄えです。また、上段がコノテガシワの玉作りになっており、この隅切部分をより素晴らしく感じさせてくれます。
サツキ(前)、矮性コニファー(中)、カイヅカイブキ(後)の三段垣
縦目地の入った高い擁壁の上に植込み地を作り、サツキの低垣、上段にカイヅカイブキの生垣、中段には矮性のコニファーと、どれもが違った樹姿であるが、うまくまとまっています。また、グリーンの色合いが、壁と三段垣とで調和し、すっきりとした仕上りです。
サツキ(前)、コノテガシワ(中前)、オオムラサキツツジ(中後)、カイヅカイブキ(後)
ガレージの上と庭との高さが揃い、脇の擁壁に段々の植込地があります。設計段階からグリーンの壁ですっきり、やわらかい生垣を計画していたのでは・・・もしそうであれば、設計通り立派な生垣が誕生しました。さすが!
(2009/10/01号 三浦 敢司 著)