三浦通信 生垣のいろいろ・石積みと生垣(4) (2005/03/22号)

自然石(天然石・野面石)を使った石積みには、ごろた石(大きさは10~25cm位)だけで仕上げたものや、野面石の小端石を厚みのそろったもので積み上げたもの、厚さの異なった大小を混ぜて積み上げた小端積などがあります。この場合、小口の美しい面を出すか又は崩すか色々ありますが、全体のバランスを考えて水平目地を強調し、上下の目地が揃わないことが大切です。その他には根府川石を使用したもの、溶岩(ボク石)を使用したもの等、石材の産地によってさまざまな石材を利用した石積みを見ることができます。

自然石の雑石積
上段のツツジの生垣の下枝が年月とともに垂れ下がってきて、石積面を覆い始めます。これも自然石の石積の良さ、楽しさでもあります。

石の厚さを均一にした小端積
厚さをそろえた石材を揃えて距離と高さのある石積み、ごくわずかな厚みの異なった石材をアクセントに使用し壮観です。しかも、オオムラサキツツジ生垣の高さも同じにしてすばらしい仕上がりとなっています。

イチイの長玉作りと小端積
厚みの異なる小端石を使って水平目地を大切に仕上げています。石積全体として、大小石のバランスがとれて美しい仕上がりです。イチイの根じめにあるサツキ生垣がアクセントになって石積みの美しさを一層引き立てています。

根府川石を縦使いした崩れ石積
面を立てて厚みをもたせない積石です。
石との隙間をうまく利用して玉物や地被類を植え込み、やわらかさを持たせ、上のイヌツゲ生垣との調和を図ります。玉物の成長に伴い、石の荒々しさが軽減されていきます。

溶岩の石積
下段の溶岩の割石積の面を揃え控え目にして、その上に溶岩の割石をダイナミックに積み、そのごつごつとした面にサツキ、コクチナシ、ヒサカキといった灌木を植栽して全体を和らげています。上の生垣は混植であるが、溶岩石積の芸が面白いので混植があまり目立ちません。

(2005/03/22号 三浦 敢司 著