平馬通信 ヨーロッパに見る可憐な花たち NO.2(2003/09/22号)

『イギリス  王立エヂンバラ植物園のロックガーデンに見る』

(1)ロックガーデンの景観
ロックガーデンの景観は、骨組みとなる石の色や形で決まると言って良い。ヨーロッパに見られるロックガーデンでは、夫々が一つの個性をもっており、ここでは石の色が黒系の地味な色に統一されていて、全体的に非常に落ち着いた雰囲気が感じられる。これはスコットランド人の国民性とも合致するような気がする。

(2)石組みにマッチする 〈Cerastium tomentosum var.Columnae〉ミミナグサ属 イタリア、シシリア島原産。ナデシコ科
白い綿毛に覆われた美しい葉に、白くて可愛い花が咲く。暗黒色の岩組みの狭間で目立つ。

(3)岩上の舞姫 〈Lewisia cotyledon〉カリフォルニア原産。スベリヒユ科
平べったいロゼット状の葉に、茎を数本出して藤色がかったピンク色に白の覆輪が入る美しい花を咲かせる。

(4)岩の上を好む花 〈Sempervivum grandiflorum〉
ヨーロッパアルプス原産。ベンケイソウ科
アルプスの南西部1250~2500mに見られる花で多くはない。日本ではセダムに近いもの。高さ5~20cm、花は黄色で中央は紫色のスポットがある。

(5)気品のあるサクラソウ 〈Primula sinoplantaginea〉中国雲南省他原産。サクラソウ
紫色の花に灰白色の目があり、ほのかに香る上品な花。水辺の岩陰に咲いている。

(2003/09/22号 平馬 正 著)