三浦通信 生垣のいろいろ・ちょっと変わった生垣(2) (2005/06/20号)
一般的な生垣は、天端部を水平に、側面を水直に仕上げたものが多いですが、刈込の仕方を変えて、色々と変形させた風変わりな生垣も稀に見られます。このような生垣は大変年季が入っており、早々に出来るものではありません。造る人の苦心が感じられ、また出来栄えも素晴らしい物に仕上がっています。
カイズカイブキのちらし玉高垣
現在の出来栄えも素晴らしいものですが、いずれ何年か先には今ある空間がふさがってきて圧巻だと思います。
イヌツゲの段作り生垣
当初はイヌツゲの段作りが1本ずつ列植されていたのでしょうが、年月が経ち全てが一体化した現在、面白い仕上がりになってきています。まるで入道雲のようです。
ドウダンツツジの玉作り変形生垣
ドウダンツツジの玉物を三段作りにして下から大きさに変化を持たせ、かなり年季が入っている作り物です。通り側に全て同じ形に仕上げ玄関前は別の玉物にして、見る者に楽しさを与えています。今後刈り込みの回数が加わり益々素晴らしいものに仕上がるでしょう。
色々な樹種と樹形のアンサンブル生垣
イチイの四角錐と円錐形、角型と段作り、それに車作りと玉作りなどが寄せ集まって、一つのミュージックを聴いているようです。遊び心と楽しさが一分伝わってきます。
混ぜ玉作り生垣
ツゲの段作り、ドウダンツツジ、サツキの玉物、後にはカイズカイブキのちらし玉など丸みを強調した刈込でそろえた仕上がりに圧倒されます。1本1本を強調しながら全体では良く調和が取れています。
(2005/06/20号 三浦 敢司 著)