平馬通信 ヨーロッパに見る可憐な花たち NO20 (2004/07/16号)
『イギリス 王立エディンバラ植物園のロックガーデン』
ロックガーデンには、
1.スクリー(砂礫地)を好むもの。
2.草原植物。
3.比較的砂利交じりの排水の良い環境を好むもの。
4.風通しが良い岩場好みのもの。
5.そして日陰で落ち葉の堆積した条件を好むもの
など、いろいろな条件の植物がそれぞれ異なった環境下に植えられて育っている。特にロックガーデンに植えられている植物は、生態的にデリケートな植物が多く、その特性を理解できてないと良い成績は得られない。まず、その植物の原産地の気候条件と生態環境を理解することが重要です。
(1) スクリー(砂礫地)の王様的存在〈Saxifraga oppositifolia v.latina〉 ユキノシタ科 ヨーロッパ、北アジア、北アメリカなどに広く分布。
灰色がかった茎葉でコンパクトなマット状となり、早春に大き目の紅紫色の花が咲く。
(2) ピレネー山脈から南西ヨーロッパ アルプスの2000~2800mの草原に自生する〈Gentiana alpina〉 リンドウ科 ヨーロッパアルプス原産。
7月頃、花柄が短く長さ4cm程度でベル形の美しいスカイブルーの花が咲く。
(3) アイスランド ポピーの原種〈Papaver nudicaule V.radicatum〉 ケシ科 北部亜寒帯原産。
初夏に黄色又は白色のスポットのない花が咲き、花期は長い。
(4) 矮性で岩の上を這いまわる〈Cotoneaster microphylla v.cochleata〉 バラ科 ヒマラヤ原産。
5~6月に白い花が咲く、冬には美しい真っ赤な実がつく。ロックガーデン向き。
(5) この種のみがロックガーデンで見られる〈Arisarum proboscideum〉 サトイモ科イタリア アペニン山脈原産。
3~4月に仏炎苞の先端が長く曲がった尾のある奇妙な花が見られる。
(2004/07/16号 平馬 正 著)