社員通信 ラベンダーを蒸留してみました
少し前に、ハーブの利用法の研究でオレガノというハーブを蒸留し、芳香蒸留水というものを採取する事を試みました。それはそれで面白い体験だったのですが、「やっぱりハーブといえばラベンダー、ラベンダーの蒸留は外せないでしょう!」という思い込み(?)があり、今回はハーブ利用法研究の続編として、ラベンダーの蒸留を試みてみました。なお、一般的にラベンダーはオイルの含有量が多いとされているので「あわよくばアロマオイルも採っちゃうぞ!」というスタンスで取り組むことにしました。
まずは材料の調達です。近所のホームセンターで買ってきたラベンダーの苗が自宅でうまく根付いており、旺盛な成長をして花を咲かせていました。せっかくなので、ここから花を収穫して、材料に充てる事にします。ちなみにこのラベンダー、農薬や化成肥料を使わずに栽培しているので、この材料で蒸留水やオイルを取れば「無農薬、有機栽培、オーガニックラベンダーのアロマオイル/芳香蒸留水」という事になるのでしょうか?字面だけ眺めてみると、何だか素敵な感じがしますね!
次に蒸留方法の検討です。前回オレガノを蒸留した時は、材料を煮出すハイドロ法で蒸留しましたので、今回は違うやり方を試してみようと考え、乾燥した材料を使って水蒸気で蒸留する、スチーム法で蒸留することにしました。
さて材料となるラベンダーは、花を収穫した後、陰干しにして十分に乾燥させます。乾燥させたラベンダーの花をかき集めると、ちょっと大きめの料理用ボウル一杯分くらいの分量が準備出来ました。これをアランビック蒸留器の材料投入部分に詰め込むのですが、重さの割にボリュームがあり、結構ぎゅうぎゅうに詰め込む感じになりました。
蒸留器にラベンダーをセットした後、ミネラルウォーターを蒸留器のポットに入れ、点火します。点火後しばらくすると、蒸留水が出てきました。ビーカーに溜まっていた蒸留水を確認すると、蒸留水に混じるオイル分がオレガノの時よりも明らかに多く、蒸留を続けていくにつれて次第に上澄み部分に薄黄色のオイルが集まってきました。どうやら今回はアロマオイルが採れるかもしれません!
2~3時間ほど蒸留を続けると、蒸留水の表面に採取できそうな分量のアロマオイルが溜まってきました。この後、不純物を取り除くために、この蒸留水をフィルターにくぐらせます。このときに、オイルと水の比重の違いから、先に蒸留水がフィルターを通過し、比重の小さいアロマオイルがフィルターに残り、これをメスシリンダーで受けてオイルを採取します。なお先にフィルターを通過した蒸留水は別のビーカーで受け、ラベンダー芳香蒸留水ゲット!ということでしっかり採取します。
さて、しばらくしてメスシリンダーを確認すると、今回はなんと5mlくらいのアロマオイルが採れました!(目盛りの読みは6ml弱くらいですが、メスシリンダー内に蒸留水が数滴混じってしまったので、実際は5mlくらいと思われました。)
このアロマオイル、香ってみると、お店で販売されているラベンダーのアロマオイルとほとんど同じで、驚きです!ラベンダーから採取しているという点で、同じ香りがするのは当たり前かもしれませんが、自分で採取したので何となく、ありがたみがあります。
また、同じく採取した芳香蒸留水もラベンダーの香りがしっかりと存在し、これも良い感じです。
なお作業している間、部屋中にラベンダーの香りが充満しており、作業自体が、ある意味ではアロマの癒し効果みたいなものとなったかも知れません。実際、癒された感じで、良い気分転換となりました!
その後、採ったオイルと芳香蒸留水はそれぞれ遮光ビンに移して保存します。今回、成果物としてアロマオイル5mlのほか、芳香蒸留水を600mlくらい採ることが出来ました。
さて、今回はハーブ利用法研究の続編としてラベンダーの花を使って蒸留を試みてみましたが、芳香蒸留水のほか、アロマオイルも採取出来、上々の結果となりました。
また、ハーブを収穫して成果物を採取するプロセスを体感する事によって、普段目にする植物やハーブ関連製品、周辺知識へのアンテナの張り方が少し活性化されたのではないかと思います(思いたいです)。今後は、懲りずにローズマリーなど別の材料でも蒸留を試してみたいと思います。
(2023/8/2 R.K)