六仙公園整備工事(3)

施工場所     東京都東久留米市三丁目地内


工期       令和4年3月18日~令和4年11月30日


発注者      東京都西部公園緑地事務所


六仙公園は、東久留米市の静かな住宅地の中にあります。廃校となった小学校の跡地を中心に、北多摩地域の緑の拠点として計画され、平成18年に開園した比較的新しい公園です。開園後も公園の整備・拡大は続いており、今回はその一環として、公園西側における拡張整備を行いました。

まず、公園用地として取得されていた農地で既設物の撤去と造成を行ったのち、斜面の下部などに石積み擁壁を設けました。そして、その斜面側に、雨水の排水設備と地中浸透施設を設けました。

次に、照明灯や給排水設備を設置し、地中浸透施設の上に景石やゴロタ石を配して渓流を模した景観をつくり、周囲には多種類の低木・地被を植え込みました。また、隣地沿いには、目隠しとなる常緑中心の花木類を、園路際にはカンザクラの列植や、シンボルとなる大きなケヤキなどを植栽しました。

園路は、工業副産物や透水性インターロッキングブロックによる透水性資材で舗装し、敷地内の最高所には北側の眺めの良い広場とベンチを設けました。

なお、ゴロタの流れや植栽地を除き、園路の周りは一面に芝生です。草木を愛でながら散歩をしたり、芝生でくつろいだりするのに適した公園になりました(芝生は5月の中頃まで養生中です)。

施工上のポイント

まず、工種が多くいろいろな施設を設ける割に工期が短かったため、準備段階より、各専門業者と綿密に打合せを行って施工方法を検討し、工程調整を行いました。さらに、敷地の境界や高さほか設計図書と現況が合っていない箇所や、設計段階で詳細が決まっておらず、受注後に調整しなければいけないことが外部を含めて多数ありました。そのため、それらの調査・対応精査・変更調整にとても労力を要し、そのうえでの工程管理に非常に苦労しました。

作業の点では、敷地内に約4mの高低差があったため、芝生を張るまで、大雨が降るたびに土砂が下部へ流れてしまいました。作業途中の施設が土砂に埋まってしまい掘り出したり、対策として土のうを並べたり動かしたりで労を費やしました。

また、各施設には曲線が多かったり、植栽や景石の配置が細かく分かれていたりしたため、線形・位置出しの作業、及びそれぞれの施工途中の管理・確認が忙しかったです。

なお、近くには有名な湧き水スポットがありますが、周辺よりも低い敷地内の一画で大きな地中浸透施設を設けるために掘削したところ、案の定、地下水が湧いてきたのは笑い話でしょうか?