社員通信 緑のインフラを支える仕事
庭園の維持管理の仕事をしています。
今から2年近く前のこと、様々な業種が集まる社外の研修で鉄道会社の方とご一緒する機会がありました。話をすると、私が毎日利用している駅で勤務されていると聞きびっくり。雑談の話題は、数週間前に東京に大きな被害をもたらした台風の時のことに…。
台風が過ぎ去ったあの朝、私はいつもより早く家を出ました。前夜の暴風雨による倒木や落下枝は一刻も早く撤去して安全を確保しなければなりません。台風や積雪の時はいつも緊張します。しかし、駅に着くと、電車は運行しておらず、駅構内への立入りを規制していました。駅職員が封鎖した改札機の前に整列して「ご迷惑をおかけしております」「安全の確認がとれるまでしばらくお待ちください」と繰り返し説明をしていました。なかなか電車は動きません。時間とともに駅には人が集まってきます。痺れを切らした利用客が駅職員に詰め寄る場面もあり、緊迫した状況でした。あの日、同じ場所に居合わせていたとわかり二人で苦笑。「インフラの仕事はお互い苦労しますよね」そう言われてはじめて、私の仕事もインフラを支える仕事なのか…と考えるようになりました。
確かに、エネルギー・水道・交通などとは異なりますが、「緑」もまた都市の生活に不可欠な基盤です。人々に憩いをもたらすだけではなく、CO2を吸収し巨大な緑陰と気化熱を作り出します。気候変動による温暖化や集中豪雨問題の解決には、自然本来が持つ機能を活用することがカギになるといわれています。東京都心の造園会社で働くということ…緑をつくり維持する仕事は、緑のインフラを支える役割を担うことなのだと。
草を引き、落葉を集め、芝を刈り、木を切り、花を植え、水をやる…そんな日々の繰り返しが、自然環境の保全・再生につながる。持続可能な社会めざす有意義な仕事だ!自らを励ましながら、毎日、始発電車で現場に向かいます。未来を担う若者のみなさんも私たちと一緒に働きませんか?
倒木や枝折れの処理に欠かせないチェーンソー。
台風や降雪の前には必ず点検します。
(2021/4/22 K.I)