三浦通信 生垣のいろいろ・アメリカシカゴ郊外住宅地の生垣? (2012/06/11号)

2011年6月中旬から二週間と少し、アメリカ・イリノイ州シカゴ郊外のエルク・グロブという街に滞在しました。広い公園の一角に、敷地を大きく区切り、エルク(ヘラジカ)を自然のままに飼育しているところから街の名がついたそうです。

住宅地に隣接して、18ホールのパブリックゴルフ場もあり、なかなか落着いた所でした。
住宅地に隣接するゴルフ場です。境界には塀もなく、庭の一部の様に感じられます。

ダイニングルームから見た庭先です。
板塀の後方は調整地で、湿原地の中程に川が流れています。
落葉樹で形成されているため、冬場には反対側の家や道路、公園が見えるとのことでした。
夜になると庭先にはホタルが乱舞し、まるで樹々にイルミネーションが施されている様でした。今までに色々な場所でホタルを見ましたが、この様な光景は初めてです。また、空を見上げれば北斗七星がすぐ上に輝いています。
ホタルは、夜八時を過ぎた頃より光を放ち始め、八時半を過ぎる頃には辺りを幻想的な景色へと変化させます。

朝になると、様々な小鳥の声が聞こえ、庭先にはリスや子ウサギが遊びまわっていました。サワグルミの仲間と思われる庭木にリスが遊びに来ます。

隣地との境界にあるプリペットとアベリアの生垣です。
住宅地の生垣を見て回ると、セイヨウイボタ(プリペット)、ボックスウッド、キャラボク、ニシキギの仲間等が多く、日本のように色々な樹種は使用されていませんでした。
犬を飼っている家は、庭周りの境界を板塀等で区切っているところも見られましたが、数は少なく、庭先は何軒も芝生地で繋がっていました。
また、隣との境界を生垣で区切った家もありましたが、それもまた多くはありませんでした。

こちらも隣地との境界にあるプリペットの生垣です。
手前を低く後ろへいくにしたがって高く、丸みを持たせているため、とてもやわらかく感じさせています。
歩道から玄関先までは芝生地、玄関前には低垣か玉物等による植込地、建物周りは生垣で区切るなど、思い思いの庭を造り上げています。

(2012/06/11号 三浦 敢司 著