三浦通信 生垣のいろいろ・ちょっと変わった三段垣? (2009/07/27号)
いろいろな場所でいろいろな形状の三段垣を目にしてきましたが、元の形から変化し現在に至ったと思われる三段垣を紹介します。
ツツジ・サツキ(前)、ハマヒサカキ(中)、ヒサカキ(後)の三段垣
後段・中段の生垣と前段の間にケヤキの株立、その根じめにツツジを植栽しています。中段のハマヒサカキは端を斜めに刈込むことで、ケヤキの株立ちが見えるように工夫されています。
前段の生垣は、当初景石の根じめとしての低垣であったと思われます。しかし現在では、生垣が覆いかぶさるように変化し、景石がのぞき窓から見えるような生垣となっています。
サツキ(前)、オオムラサキツツジ(中)、カイヅカイブキ(後)の三段垣
一見、よく目にする三段垣に見えますが、ポイントとして植え込んだ中垣のシャクナゲ、刈込線の中に取り入れられた自然樹木が特徴的です。
また、シャクナゲ、オオムラサキツツジ、サツキは花の咲く時期が異なります。そのために、長い期間花を楽しめる生垣となっています。
サツキ(前)、サツキ(中)、ツゲ玉作り・ドウダンツツジ玉作り(後)の三段垣
斜面に自然石を三列据えつけ、その石の間にサツキを植え込むことによって、全体的に、やわらかい仕上りとなっています。上段の玉物は、常緑樹と落葉樹を混在させ、よりやわらかい印象を与えています。いずれ、中段・前段のサツキがつながり、石に覆いかぶさるような生垣へと変化をしていくでしょう。
庭木を取り入れての三段垣、サツキ(前)、カイヅカイブキ(中)、サツキツツジ類の刈込(後)、庭木の刈込み物(手前後)
当初はサツキ、カイヅカイブキとくっきり分かれていた段垣ですが、現在ではゆるやかな曲線の段差を描き、一つの流れになっています。後方の庭木と刈込物とがまた一つの景観を作り出し、見た目には生垣と思えない雰囲気を感じさせます。
サツキ玉作り(前)、ツゲ(中)、カイヅカイブキ仕立物(後)の三段垣
中段のツゲの間から後段のカイヅカイブキが覗き出し、少し変わった生垣になっています。一見珍しい形の生垣ですが、前段サツキの玉作りに見事に馴染んでいます。
この生垣は実際に目にすると、堂々とした迫力を存分に感じることができます。
(2009/07/27号 三浦 敢司 著)