三浦通信 生垣のいろいろ・ベルギー ブリュッセル郊外 住宅地の生垣と前庭 (2007/04/06号)

ブリュッセル郊外 住宅地の生垣シリーズのまとめに、生垣と前庭とが一体になったものを紹介します。
緑豊かな街並みの中、住宅の玄関口には個人個人がいろいろな樹種と草花とで工夫を凝らし、特色ある前庭が造り出されています。前庭は生垣と一体になっており、見る人の目を楽しませ、訪問者は歩くことの楽しみを一層味わうことができます。

日本の生垣の大半の目的は、生垣によって歩行者の視線を遮ることで、個人のプライバシーを確保しています。ブリュッセルでは住宅の玄関口まで解放された空間になっており、生垣の高さも歩道面は以外と低く刈込んでいるところが多く、そのため道路巾が広く感じられました。

コニファーの高垣(二段垣)

成形された前庭と生垣とが一体に組合わさっています。二段垣の下の低垣が直線で終わらず、最後を丸く刈込んだことで全体がやわらかく感じられます。

イボタの生垣とツタ類生垣の取り合わせ

入口のバクチノキの丸刈りとツタのアンバランスな取り合わせの中で、隣家に向かって生垣の高さを変化させ、天端を丸く刈込むことで固さをやわらげています。アンバランスなようで全体のバランスがとれています。

マンションのガレージ出入口と玄関を、生垣と植栽でまとめた前庭

イボタの生垣は天端に丸みをもたせ、他の樹種も玉物や丸刈りの丸みをもたせた仕上げです。
生垣や樹木の高さを違え、それぞれの樹種の葉の色で変化をつけることによって、狭いながらもおもしろく、バランス良く仕上っています。

(2007/04/06号 三浦 敢司 著