三浦通信 生垣のいろいろ・カイヅカイブキ (2006/05/09号)
現在、生垣に用いられている針葉樹の中で最も多く使用されているのがカイヅカイブキです。ビャクシン属でイブキの園芸品種です。暖地でよく生育し塩害に強いので、海浜地区にある住宅地の生垣に多く使われています。
カイヅカイブキは刈込みにもよく適応し、変化にとんだ樹形に仕立て上げる事ができる樹種です。以前にもカイヅカイブキの生垣を何点か紹介しましたが、今回はスタンダード型から変化を試みた生垣を紹介します。
この住宅地のほとんどの家庭の生垣がカイヅカイブキ(上段)とサツキ(下段)の生垣で統一されています。(千葉海浜地区の住宅地で約20数年たっている生垣)
その中で形状を変えて、新たな生垣にチャレンジを試みているものが見受けられました。
生垣をくりぬいて風通しを考えているのか? 丸窓になっているのか? 四角窓ができるのか? 普通を嫌ったユーモアのある生垣です。
生垣の天端を平坦に仕上げないで、山並みをイメージして作られているようです。山のロマンを感じさせる生垣です。
カイヅカイブキ一本一本を独立させて、枝を丸く刈込み串刺し団子状に作られています。(段作り)下段の生垣と対称的で笑いをさそう生垣です。
また、別の地区のカイヅカイブキの生垣は、刈込みを行わずに枝透かしによって生垣全体の形が整えられています。カイヅカイブキの生垣としては珍しい仕上げ方のものです。
(2006/05/09号 三浦 敢司 著)