三浦通信 生垣のいろいろ・生垣の幅について (2005/12/12号)

今回は生垣の形状の中で幅(厚み)について考えてみます。生垣に使用する材料は下枝があって、小枝が均一で密なものを使用することで、良い仕上りが期待できます。次に通常の刈込管理が行き届いていることが、非常に大切な事となります。刈込みによって枝の元の方の萌芽を促し、徐々に厚みを薄くしながら生垣の形を整えていきます。厚みのある生垣は比較的造りやすいものですが、反対に厚みの薄い生垣を綺麗に仕上げることは大変難しく、これも管理を怠ったりすると部分的に穴が開いてしまう恐れもあります。

シラカシの高垣
高さ3m上に作られた高垣。高さも立派ですが、枝の作り方が素晴らしいものです。管理をする上で丸太の四ツ目垣は、外せませんがその出来栄えには圧倒されます。(厚み30cm以内)

モチノキの高垣(内側)
年期の入ったモチノキの高垣内側には幹が露出しているが、厚みが30cm以内に仕上げてあり外側から見ると刈込面が平らに綺麗に仕上がっている。

シラカシの中垣
高さ1.5m位のシラカシの中垣で、下枝が綺麗に整い天端の水平と平行に揃って、すっきり仕上がっています。作る段階で材料を吟味していることが分かります。(厚み20cm内外)

ドウダンツツジの段差垣
坂道にあるドウダンツツジの段差垣で道路のスロープを生垣は段差をつけて対応した珍しい生垣です。(高さは約2m、厚さは20cm位)

キンメツゲの中垣
各地の生垣の写真を撮り始めてから3年、今までに出会った生垣の中で一番厚みの薄い生垣です。高さ約1.5m位で通常薄くても15cm以上の厚みがありますが、この生垣は約10cmで仕上げられています。生垣全体が密度にむらがなく素晴らしい生垣といえるでしょう。

(2005/12/12号 三浦 敢司 著