平馬通信 ヨーロッパに見る可憐な花たち NO34 (2005/11/28号)

『イギリス 王立エディンバラ植物園のロックガーデン』

どこの植物園でも、全世界から集められた珍しい植物が多く見られます。同じ科、同じ属のものでも世界の地域が異なれば、異なる種類の植物が見られます。植物園の良い所は、まだ見たことがない属や同じ属の全く異なる世界の植物をいながらにして見られることです。今回はコーカサス、南ヨーロッパ、ヒマラヤ、北アメリカ、ギリシャから小アジアなどの植物たちです。日本のものとはどこか違うものですが、どこか似ている感じもします。比較しながら見ていただきたいと思います。

1.日本のイヌゴマの仲間〈Stachys discolor〉 シソ科 コーカサス原産。
通常はローズ色ですが、稀に黄白色の花もあります。花は6~7月に咲きます。葉の質感が岩間に合って花数も多いものです。

2.岩上から下方に大きく群がる〈Iberis umbellta v.nana〉 アブラナ科 南ヨーロッパ原産。
花色には変化が多く、この種は矮性のコンパクトな茎葉に初夏に白色の花がびっしりと咲きます。

3.ブルーの美しい〈Corydalis cashmeriana〉 ケシ科 ヒマラヤ原産。
カシミール地方の種で葉も花も美しい。初夏に咲き寒い地方の方が栽培がしやすい。

4.アメリカ産のアツモリソウの仲間〈Cypripedium pubescens〉 ラン科 北アメリカ原産。
袋状の唇弁は茶色混じりの黄色で5~6月に咲きます。

5.日本のセツブンソウの仲間〈Eranthis cilicica〉 キンポウゲ科 ギリシャ、小アジアからシリア原産。
2~3月の寒い最中に黄金色の花が見られる。

(2005/11/28号 平馬 正 著