平馬通信 ヨーロッパに見る可憐な花たち NO33 (2005/09/12号)

NO(1)に見られるロックガーデンの景観で、余り大きな潅木が植えてない場所では、遠くまで見通せて多くの植物が眺められる。こういったオープンなスペースも必要になってくるし、NO(3)のように個性の強いクッション植物と石組みの間にボサボサとした植物を合わせるとポイントとなる。NO(2)と(5)はスクリー(砂礫地)のコンデションであっても、マット状になるものと草本で見るものとでは、植える植物も違ってくる。植物の生態や形態を良く知ってないと景観的にも栽培する点からもうまく行かない。

(1)岩組みの上に大きく枝を広げる〈Cotoneaster conspicuus〉 バラ科 チベット東南部原産。
半常緑の低木で古くなるとマウンド状の樹形になる。夏に白い花が咲き、冬に真っ赤な実が生り美しい。

(2)矮性のマット状になる常緑低木〈Daphne arbuscula〉 ジンチョウゲ科 ハンガリー原産。
6月に枝先に紫紅色の花を開く。砂礫地に適する。

(3)クッション植物や岩に囲まれて〈Hypericum olympicum〉 オトギリソウ科 ヨーロッパ東南部、シリア、小アジア原産。
矮性の落葉低木、夏に黄金色の花が茎頂に集まって咲く。

(4)カンパヌラの花が球形になる〈Campanula Tommasiniana〉 キキョウ科 オーストリア原産。
コンパクトに育つ2年草。最初は枝が細く花の重さで下垂状となる。夏に細い筒状のブルーの花が群がって咲く。

(5)花は白く花筒は赤くて美しい〈Stellera Chamaejasme〉 ジンチョウゲ科 中央アジア原産。
直立する茎頂に球形に筒状の花が集まって咲く。

(2005/09/12号 平馬 正 著