三浦通信 生垣のいろいろ・ちょっと変わった生垣(3) (2005/07/20号)

今回の生垣は個々の通常な形態にとらわれず、思い付きの発想で個性を強調した生垣です。全体の流れの中から変化を繰り返し、究極的にたどり着いた結果だったのでしょうか。長い年月を経て見ていても楽しい生垣に仕上がってきたことが感じられます。

◎樹種を混ぜて造った生垣
1)庭先のモッコク・ツバキの長玉作りを取り入れて、サツキ・オオムラサキツツジの個々の形状をうまく生かして一体化し全体的な流れの中に、楽しさ面白さを強調した生垣です。わざわざ遠回りしてでも、見に行きたくなるような印象的な生垣です。

2)生垣の天端を水平に刈り揃え、後方の自然形の樹木を生かしています。面は凸凹に丸みを持たせて、面の変化を強調した生垣です。
混植の樹種は、ヒイラギモクセイ、サザンカ、ツバキ、ウバメガシ、カナメモチと下方にサツキが見られます。

3)サザンカの天端を水平に刈り込み、上部の枝を横に伸ばし隣りのサザンカと連結した生垣です。また窓穴にはイヌツゲの玉物を庭側に丸く、外側には垂直に刈り込んで変化をもたらせ演出効果満点です。将来上部が完全につながり仕上がるのが楽しみです。

◎一樹種で仕上げた生垣
ドウダンツツジの生垣
ドウダンツツジの段作りと通常の生垣が一体化し、一樹種でまとめた珍しい形態の生垣です。
この先、竹の垣根が取れて仕上がると、見応えのある生垣が出現すると思います。秋の紅葉が楽しみです。

ヒイラギの生垣
単調になりがちな通常の生垣の天端を均等に丸く刈り下げて固さを取り、建物との直線の単調さと硬さを和らげています。

(2005/07/20号 三浦 敢司 著