平馬通信 ヨーロッパに見る可憐な花たち NO31 (2005/05/11号)
『イギリス 王立エディンバラ植物園のロックガーデン』
ロックガーデンのオープンな場所でも、コニファーは重要なポイントを占めていますが、岩の上や岩組みの間にもドワーフ コニファーはとても調和して個性的な味わいを見せています。ロックガーデンで岩組みの良し悪しが、その景観や印象度を決定付けますが、その岩組みを生かして見せているのは、何も美しい花の咲く植物ばかりではありません。多くのドワーフ コニファーが日本庭園の露地にも似た侘び寂び的な役目を果たして、ロックガーデンの随所で真価を発揮しています。
(1)ロックガーデン下方部の景観
流れがあって周辺は山岳に見られる草原を表現している。矮性のコニファーが随所に見られる。
(2)頂部付近に見られる〈Cedrus libani ‘Comte de Dijon’〉レバノンシーダーの品種です。円錐形となり、普通見られる親の形とはかなり異なります。
(3)日本のスギの品種〈Cryptomeria japonica ‘Vilmoriniana’〉です。
珍しいもので余り見かけることがありません。ゆっくり育ちとてもスギには見えないものです。
(4)日本のシノブヒバのその又品種〈Chamaecyparis pisifera ‘Plumosa compressa’〉で、一見ヒノキの品種のようです。岩の上で品良くコンパクトな樹形に仕上がって見事です。
(5)岩を低く覆う〈Juniperus squamata ‘Prostrata’〉は、ゆっくりと地を這いながら成長するコニファーで、小枝が密集しています。
(2005/05/11号 平馬 正 著)