三浦通信 生垣のいろいろ・石積みと生垣(3) (2005/02/07号)
玉石積(野面積)
玉石積はできるだけ大きさ、形のそろった楕円形や卵形のものを使って積むもので、目地が上下直線に通らないように積み上げていくやり方です。唯一大玉石を縦長に使い石どうしの接する面をY字に加工して積む亀甲積というやり方がありますが、他はほとんど玉石を加工しないで積み上げます。積み方には小口積、長手積(布積)、俵積、矢羽積などがありますが、現在では玉石の入手が困難であり、玉石積も玉石に大小を取り混ぜた標準的な積み方となります。
イヌツゲの仕立物と玉石垣
玉石の標準積の上にイヌツゲの仕立物(貝づくり)の列植、管理が行き届いていて、行きかう人も楽しめます。
四季咲きバラの生垣と玉石積
玉石積を低く抑え、バラの生垣と石積みの約1.5倍の高さにボリュームをもたせたものです。花の観賞に配慮しています。
玉石の矢羽積
一段にしないで中間に犬走部分を作り変化をもたせています。上のドウダンツツジとイヌツゲの混垣がボリューム感豊かで石積の硬さをやわらげています。
大玉石の俵積
イヌツゲ生垣の直線と玉石のランダムな上端の釣り合いが対照的でおもしろく、根じめのリュウノヒゲが玉石上端の荒さを消しています。
大玉石の亀甲積
後方の和風塀と手前のイヌツゲ、ドウダンツツジの大玉物、そして下の亀甲積との調和が見事です。
(2005/02/07号 三浦 敢司 著)