平馬通信 ヨーロッパに見る可憐な花たち  NO15 (2004/04/26号)

『イギリス 王立エデインバラ植物園のロックガーデン』

地球上には、きれいな花が咲いたり美味しい実がなったりする被子植物だけで25万種あるといわれている。その中でロックガーデンに植えられる植物といえば、2000~3000種程度ではなかろうか。このエデインバラ植物園のロックガーデンは、規模も大きく長い歴史があり植物の数も多い。四季を通じて冬は冬で寒さの中で花が咲くものもあり、果実の美しいものも鳥に食べられるまで長く枝に残っていて楽しめる。しかし、何と言ってもエキサイテイングなのは春から秋にかけてで、世界の植物が一ヶ所で見られるので、機会を作ってぜひ一度訪ねて見てはいかがでしょうか。

(1) 日本のツルニンジンの仲間〈Codonopsis ovata〉 キキョウ科 ヒマラヤ原産。
宿根草で、夏に花冠の先が広い鐘状の美しいブルーの花を、8~15cmの長い花柄を立ち上げて下向きに開く。

(2) 美しいクッションを作る〈Astragalus angustiforius〉 マメ科 小アジア・ギリシャ原産。
トゲだらけの潅木状植物で、6月頃に白い花が咲く。水はけの良い砂礫地を好む。

(3) 矮性の美しいナデシコ〈Dianthus haematocalyx〉 ナデシコ科。
7月頃に可憐なピンクの花が咲く。排水良好な砂礫地が適する。

(4) 亜高山性のドロニカム〈Doronicum cordatum〉 キク科 南東ヨーロッパ、西アジア原産。
葉の基部が心臓形。春茎頂に単一の橙黄色の花が咲く。

(5) カルセオラリアもロックガーデンに3~4種見られる。〈Calceolaria biflora〉 ゴマノハグサ科 チリ原産。
夏にロゼットから細長い茎を沢山立ち上げて、黄色い袋状の愛敬のある花を咲かせる。

(2004/04/26号 平馬 正 著