三浦通信 生垣のいろいろ~特別号?~(2003/11/25号)

雪の便りが聞かれる季節となりました。最近、住宅地などではブロック塀・万年塀に変えて、倒壊の危険(倒壊による交通障害)がない生垣が見直されてきています。

生垣は地震・防火(延焼を防ぐ)に強く、防風や防じんまた防犯的な効果に加えて、酸素の供給源、地球温暖化防止策の一環と数々の利点があり、本来の囲むのイメージから気持ちを和らげ、なによりも「緑」という自然環境・地球環境にやさしく、街並の調和にも大事な役割を果たしております。

生垣には高垣H=3.0以上、中垣H=1.2~2.0、低垣H=1.0以下、二段垣、三段垣などがあり、同一樹種による生垣、樹種を取り混ぜた混植垣(まぜ垣)、つる性植物を使ったツル垣と多種多様な種類もあります。個人の好みと樹木の特性条件(陰樹、陽樹、適応性)で色々な生垣を作れて、維持管理の仕方によってはさまざまな形態が可能ともなります。

この時期、生垣は冬に向かい色々と様変わりを見せています。特に落葉樹のドウダンツツジ、ニシキギ、モミジ等の紅葉は目を奪う美しさがあり、他にイチョウ、ムクゲ、ヤマブキ、トウカエデ等の黄葉も季節を感じさせてくれます。

常緑樹の生垣ではピラカンサの赤やだいだい色の実が際立ち、サザンカ、カンツバキの花も咲き始めています。冬場の花の少ない時期、茶の生垣で白い花も楽しめます。

この様に生垣には機能的な役割と春から秋にかけての新緑~開花~紅葉の楽しみという、身近に季節を感じられて人々に安らぎと潤いを与えてくれます。

タチカンツバキ(ツバキ科)

ムクゲ(アオイ科)

チャノキ(ツバキ科)

ピラカンサ(バラ科)

サザンカ(ツバキ科)

(2003/11/25号 三浦 敢司 著)