平馬通信 ヨーロッパに見る可憐な花たち NO 9 (2003/01/26号)
『イギリス エデインバラ植物園のロックガーデン』
ロックガーデンの景観は、石組み、スクリー(砂礫地)やストリーム(流れ)の配置、それとバックグラウンドやアクセントとなるコニファーや他の潅木類の使い方によって、全く異なるものとなります。自然界の高山に見られる雰囲気を表現するだけでは、どうしても単調なものになりやすいため、園路を歩いていて楽しく飽きがこないよう、植物の色調や配置を変化させるなど工夫がなされています。その中でも岩上や岩間を這うマットフォーミング植物の配置が重要なポイントとなります。
(1)ロックガーデンで景観的に重要なイエローカーペット〈Saxifraga X apiculata〉 交配種 ユキノシタ科
成長が早くマット状に広がる。3~4月に淡紅色がかった黄色の花が咲く。
(2)岩間に咲く〈Anemone tetrasepala〉ヒマラヤ西部原産。 キンポウゲ科
茎の途中で3~5本の花茎を分岐し、その上方で又花柄を出して白花が咲く。
(3)ブルーがかった紅紫色の花が印象的な〈Primula tsariensis〉南チベット~ブータン原産。 サクラソウ科
とてもきれいなサクラソウで早春に咲く。花の中央に黄色い目がある。
(4)岩にへばりついてクッションを作る〈Silene acaulis ‘saxatilis’〉園芸品種。 ナデシコ科
6~8月にきれいなピンクの花が密に茂るクッションの上に咲く。
(5)岩を這うヤナギ〈Salix reticulata〉ヨーロッパ~北アジア原産。ヤナギ科
矮性のヤナギの中で最も美しい。花は5月。ロックガーデンで人目を引く。
(2003/01/26号 平馬 正 著)